「大阪市渡辺邸保存会」の趣意書

大阪市淀川区西三国にある渡辺邸は、渡辺綱の子孫と伝える渡辺久良左衛門源忠綱(天正十年、1582年没)が構えた屋敷跡と伝えられ、もしそうなら大阪落城より以前からあった大阪市中最古の民家の一つとなります。綱はいうまでもなく、その祖は嵯峨天皇、その皇子である源融は、紫式部作の「源氏物語」の光源氏のモデルともいわれ人物の流れを組み、渡辺党の祖でもあります。綱は、大江山の鬼や羅生門の鬼を退治した、源頼光の四天王のひとりとして勇名をはせた人物でもあります。渡辺綱(万寿2年、1025年2月15日没)。
そこから約1千年、渡辺の発祥の地でもある大阪市中最古の民家とも呼ばれる貴重な歴史的財産でもある渡辺邸を保存する為に、保存会を立ち上げました。

現在、渡辺邸は、1969年施行の府文化財保護条例では文化財の所有者に保存義務を課しているが、「渡辺邸」は条例制定前の1965年に府規則に基づいて指定されていたため、保存義務がなく、相続の為の所有者が相続税の支払いが困難な為に文化財指定解除され、解体危機にあるのが現状です。
大阪府による買い上げは財政上困難ではありますが、その一方で、現在大阪市によって渡辺邸のある大阪市淀川区西三国地域は、大阪市による三国東地区土地区画整理事業として総事業費約474億円を使って再開発が進められています。その三国東地区土地区画整理事業のシンボルとして、渡辺邸を歴史公園としての保存、活用を、大阪市に求めようと考えて立ち上げました。本当にゆたかな「地域社会」をつくりあげるためには、地域の個性を生かした文化を育んでいくことが重要であり、私たちも、豊かな文化と魅力ある街づくりのために、大阪の歴史文化を物語る大阪府民共有の貴重な文化遺産として、元々、「大阪府文化紀念物等保存顕彰規則」での文化遺産である大阪渡辺邸を、大阪市による保存と歴史公園としての活用を求める為に取り組んでいきたいと思っております。


 大阪市渡辺邸保存会
 世話人 山本 憲作(学芸員)

趣意書 PDF版

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